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サインと判子はもう使えない

私は仕事上で年に10回ぐらい大切な書類にペンでサインをする。オンライン上での電子サインはそれの5倍はしている。昨年の会社にとって一番大事な書類も電子サインだ。ペンを持ってサインのほとんどはレストランでカード決済した時だけになっている。ベイエリアでは大小かかわらず多くの企業はオンライン上でサインを行う。特にSaaSソリューションを提供している企業は契約書をデジタル化している。

アメリカでは電子サインを提供している企業は20社以上あり、その中でも有名なのがサンフランシスコに本社を置くDocuSign 社だ。DocuSignはドキュメント(書類)をクラウド上に上げてメールに送り、相手の電子サインを待つ。DocuSign内の機能には対象者(email)以外に見せないようにする機能や、対象者以外サインができない仕様や、相手の観覧回数、観覧可能な日数制限などがあり、紙の書類以上の操作ができ、トラッキングとカスタマイズができるためセキュリティ面でも安心できる。契約書・NDA・企業方針・弁護士これら多くの面での活用がされており、私もこの分野で日々活用してる。

なぜ、DocuSign のような電子サインに需要があるか?

この分野の需要は年々大きくなっており、最初は国の文化の面から話していきたいと思う。アメリカの仕事をする上でいつも話題になるのが「期限」だ。この期限はものすごく重要でかつ守らなければいけない。例として、導入決定を行うシステムで価格交渉をし、特定のディスカウントが乗った価格でセールスマンが契約書を送ってきたとする。
「この価格を保持できるのは1週間までです。」
その間セールスマンは毎日フォローアップを入れて
「質問はありますか?」と聞いてくる。
そして期限を過ぎてしまうと「この価格ではできない」と回答がある。これにはちゃんとした訳がある、アメリカでは個人のパフォーマンスをもっとも重視しているため、仕事の時間管理を徹底している。特にシリコンバレーはこの傾向が強く出ており、色々な企業がオートメーション化・オンラインシステムを使い時間効率をハイスピード化している。またアメリカは国土が大きく、西海岸と東海岸では3時間の時差があるため瞬時な対応にとてもマニュアル作業が追いつかない。

日本でもCloudSign社 やGMO電子印鑑Agree社などがあり、特にソフトウェア系の企業が使っていると見られる。 日本は時差も国土も大きくなく広まるには難しいと思うかもしれないが、今回のコロナの影響により自宅勤務状態でどれだけ判子や実筆のサインをし、Fax、スキャナー、郵便を使って仕事をしているのだろう? 

デジタルサインの世の中

今の世の中の流れは自宅勤務が通常化すると思うと電子サインサービスは私生活の中でも取り入れられる。家や車の購入、郵便物の受け取り、または婚姻届などがあってもいいと思う。企業では電子サインサービスがより暗号化技術を取り入れ、顔認証、指紋認証、網膜認証でセキュリティを高め、銀行に連携することでM&A などの大きい額が動く際に短時間で決めるバイイングパワーを得る事ができる。

DocuSign

カルフォルニア州・サンフランシスコに本社を置く電子署名サービス。
世界で8500万人に仕様されている。2015年にシリーズFで2018年にはIPOしている

SaaS

サース「Software as a Service」ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略。
クラウドサーバー上にあるソフトウェアをインターネット経由で利用すること。

NDA

Non Disclosure Agreementの略。秘密保持契約

バイイングパワー

(Buying Power)購買力。購買力は供給者から有利な条件を引き出す事もできる。