ジョージ・ルーカスの熱意
Starwarsのイノベーション事例第二弾!!
前回は旧三部作にフォーカスしたイノベーション事例を書きました。
今回は2つ目の三部作で起きたイノベーション事例とその要因となった、「イノベーションに必要な熱意」について書いていきます。
第一のイノベーション:完全デジタル撮影
ジョージ・ルーカスは2002年に公開された、「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」で完全デジタル撮影で撮影を実施しました。当時ハリウッドでは、完全デジタル撮影を行えばコストが上がると、あまりいい評価は得られませんでした。
ルーカスは完全デジタルに移行することは、フィルム自体のコスト、人件費、管理面などあらゆる項目で、デジタル化されることは長期的に考えるとデジタル化を進めた方がコストが下がると信じていた。結果としてルーカスのデジタル撮影をきっかけにハリウッドではデジタル化が急速に進められ、映画撮影におけるイノベーションが起きました。
第2のイノベーション:医学との融合
同じく「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」では当時の他の映画と比較してCG技術が多く使用されました。その中でも、CGで作り出された、クリーチャーたちは「筋肉シミュレーション」という技術が利用されました。これは筋肉がバネのように動くいたり、関節の動きなどををシミュレーションする技術で、ルーカスはその技術を応用し、CGの中に組み込みました。
この技術の導入により、ルーカスは、CGを数多く取り入れても非常に自然でリアルな映像を作り上げることに成功し、新たな映画撮影手法を確立しました。
第3のイノベーション:光の反射技術
エピソード3では、これまでのエピソード1,2,3におけるCG技術の集大成とも言える、光の反射を再現する技術「サブサーフェス・スキャタリング」を導入しました。このい技術を導入することで、ルーカスは非常に正確に再現することに成功しました。
もともと、サブサーフェス・スキャタリングは、光の入反射角を計算するモデルとして、以前から存在していたが、計算が膨大になるため映画での導入は難しいとされていた。
しかし、2001年に計算を大幅に簡素化されたモデルが発表された。ルーカスは、エピソード3に新しいサブサーフェス・スキャタリングの計算モデルを、CGキャラクターの皮膚の再現に使用することで、皮膚や衣服の見た目と動きに対して、自然な質感を表現することに成功しました。
上記の3つのCG技術を新3部作で導入したことで、ハリウッド映画におけるCGとデジタル化が非常に加速しました。ルーカスは新しい技術の導入に非常に積極的だっただけでなく、現実には存在しないキャラクターたちを、現実に近づけることに非常に熱心でした。
前回ではルーカスの技術導入にフォーカスしました。今回は上記のような、映画の世界をよりリアルに表現することにフォーカスした、ルーカスに視点を当てています。リアルに再現したいというルーカスの熱意が、またしても当時の映画業界を変えることに成功しています。イノベーションを起こす第2の条件は、熱意かもしれません。
次はいよいよ直近2015年から公開された、スターウォーズ最新3部作である「続3部作」に視点を当てて、ルーカスのイノベーション事例を紹介します。