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米小売り大手Target社がDeliv社の一部買収を発表

米小売り大手のTarget社は米東部時間5月7日にオンデマンド配送の仕組みを開発する、Deliv社の一部買収を発表した。今回の買収目的は、R&Dを目的とすると位置づけているとのこと。

Delivとは

Deliv社はサンフランシスコを拠点とする、2012年設立したスタートアップである。現在シリーズCまで資金調達を完了しており、総資金調達額は約$80M(80億円程度)。
Deliv社のサービスはクラウドソーシングによってドライバーを募集し、小売店のオンラインストアで購入された商品をドライバーが配達する当日配送を実現するサービスだ。オンラインショッピング機能を持つ小売りサイトは近くの店舗で在庫がある場合、当日配送可能商品を表示させ、Deliv社のプラットフォームを利用し、ドライバーを探す。ドライバーが見つかると、ドライバーは店舗にて商品をピックアップし、商品を受け取ったドライバーは購入者に商品を届けるという仕組みだ。いつでもどこでも商品を受け取ることができる選択肢を顧客に提供することにより、小売業者が顧客に対して高い購入体験の提供が可能となる。

未来の購入体験

このようなサービスを提供することにより、Targetを始めとした小売店は、Eコマースのプレイヤーにはできない当日配送を行うことで、小売店の驚異であるAmazonとの差別化を図ることができる。

本買収を通じ、TargetはDeliv社の技術を、Target社の要望に合わせて開発が進められると考えられる。
現在のEコマースの課題として、リードタイムの長さとフェイク商品が挙げられる。

Amazonで購入することで(AmazonPrime会員であればの話だが)受取までのリードタイムは短縮されるが、当日配送は物流そもそもの仕組みを見直すことができなれば実現されないだろう。

一方で在庫を抱える店舗とローカルのフリーランスドライバーを組み合わせることで当日配送が可能となる世界が近づいている。今後、小売り大手は店舗サイズと品揃えを充実させること、そこにデータ分析によるオンライン購入需要と店舗購入需要を加えることで、オンライン購入分の在庫まで店舗に加えることを可能にする、店舗兼配送センターが各地域の店舗に設けられる日がくるかもしれない。

今は小売店を脅かすしているAmazonが、小売り連合から逆襲を受ける日はそう遠くないだろう。