全ての荷物を可視化する Wiliot社とは？

Wiliot社は、2023年1月に新しいイノベーションキットを発売しました。これは、Ambient IoT（周囲環境と連携するIoT）へのアクセスと拡大を促進するためのものです。

Wiliot社概要

Wiliot社は、2017年にイスラエルのカイサリアで設立された、サプライチェーンや資産管理のためのIoT技術を開発するスタートアップ企業です。米国サンディエゴに拠点を構えています。サンディエゴは多くのライフサイエンスに関する研究所が存在し、実験環境などが豊富です。同社が提供する技術は精度が重要となること、ライフサイエンスに関するアイテムの物流プロセストラッキングとの相性が良いことから、サンディエゴに拠点を構えているのだと考えられます。

超小型のトラッキングデバイス

Wiliot社は、切手サイズの電池レスチップで大規模な物体識別を可能にする技術を持っています。このチップは、ロジスティックスから衣類、医薬品、生鮮品に至るまで、グローバルなサプライチェーンを移動するあらゆる製品にインテリジェンスとコネクティビティを提供します。Wiliot社は、電池レスの超小型Bluetoothタグ「Wiliot IoT ピクセル」（以下、Wiliotタグ）とクラウドサービスを提供しています。Wiliotタグは、IDだけでなく、取り付けられたモノの位置、温度、動き、容量の変化などが検知できるセンサ機能を持ちます。クラウドサービスは、機械学習を用いてセンサデータを分析し、アルゴリズムを自己学習し、在庫の各単位に関する有益な洞察を伝えます。Wiliotタグは、取り付けた商品などのIDを特定するだけではなく、位置、温度、動き、容量の変化なども検知できます。また、通信規格にBluetoothを採用しているため、スマートフォンやスマートスピーカーなどを使って情報を収集できます

強い投資家からのバックアップ

Wiliot社は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2の他にも多くの有力な投資家から支援を受けています。その中には、Amazon, Avery Dennison, Samsung, Qualcomm Venturesなどが含まれます。また、自律型倉庫やスマートリテールなどの分野と協力して、オブジェクトファインダー技術への関心を高めています。

Wiliot社の優れたエンジニアチーム

Wiliot社は、以前にWilocityというミリ波パイオニア企業をQualcommに売却したTal Tamir, Yaron Elboim, Alon Yehezkelyらによって創業されました。Wilocityのチームは、新しい製品やエコシステムの構築に経験豊富な無線エンジニアの集団です

また、2022年11月にはCOP27（国連気候変動会議）で初登場しました⁵。ここでは、Ambient IoTとサプライチェーンの持続可能性の未来が紹介されました。